小さきものに限りない愛を 13 meditation
白鳥静香著
仏像の美しさは肉体や肉体の躍動の美ではありません。
仏像の美しさとは瞑想の美しさです。
仏像をつくる人は単に素材や素材の形のなかに調和を作り出すだけではなく、
見る人の心そのものに調和を作り出そうとしているのでしょう。
心の調和とは安らぎであり、
安らぎの、もっと深まった状態を、東洋では瞑想といってきたのです。
そして、東洋では昔から瞑想に限りない美と憧れとを感じてきたのです。
瞑想とは心の調和です。
美が調和であるなら、瞑想もまたひとつの美であり、
瞑想もまた、美の理想的な姿のひとつであるのです。